こんにちは!國酒担当の中山です。

初めに、“國酒”ってなんだ?と感じる方もいると思うので、少し説明をしようと思います。

ワインのイメージが強いディオニーですが、実は日本酒や焼酎、ウイスキーなど国内酒類も扱っており、ワイン同様にこだわりの詰まった選りすぐりのお酒を“國酒”と呼んでいます。

「ほんまもん(ほんとうにおいしい)の國酒」の魅力をお届けできるように、ディオニーマガジンでは、それぞれの酒蔵様のこだわりや最新情報などをお伝えしていきます!

第1回目となる今回は、9月に開催した日本酒勉強会の様子をお届けします。

ワインの試飲会議のように、毎月テイスティングを含めた日本酒の勉強会を開催しています。9月は、兵庫・奥丹波の山名酒造様をお招きして、セミナーをしていただきました。


山名酒造は、米・米麹・仕込み水を地元産にこだわり、テロワールを表現している丹波地方最古の酒蔵です。生酛(きもと)づくり・木桶(きおけ)仕込み・蔵付酵母の「千歳」シリーズ、有機JAS認証米を使用した「奥丹波 自然酒」シリーズ、シャンパン製法で醸す日本酒「PIZZCA(ぴちか)」シリーズなど、個性的な商品がたくさんあります。

今回のセミナーでは、生酛と速醸(そくじょう)の違いや酵母無添加の造りなど、基礎知識から酒造りの現場の話まで、テイスティングを交えながら進めました。

▲奥:講師の代表取締役 山名洋一朗様、営業担当の田中昌道様
香りを感じやすいようにワイングラスを使用してテイスティング





山名酒造の生酛づくりは、江戸時代に確立した醸し技を用いており、乳酸・乳酸菌・ミネラル分など醸造用添加物を一切使用しない製法です。そのため、醸造期間は速醸づくりに比べて3倍以上になるそうです。また、仕込期間中の蔵人は、他の菌を持ち込まないために、生活習慣にも気を付けなければならないとのことでした。(納豆以外にも味噌など、発酵食品には、厳重注意が必要!)


テイスティングでは、同じ造りの精米歩合違いや米の種類違い、使用している米や酵母などはすべて同じでも、生酛か速醸かの造りの違いを試しました。

生酛は酸味からボリュームのある旨味が広がり、速醸酛は生酛と比べ華やかな香りと甘みのある味わいを感じ、バラバラに飲んでいると気づかない些細な違いに気づかされました。

また、低精米の日本酒は、酸味や苦味、旨みが強いと感じました。

これは、酸味がタンパク質と脂質に寄与することが多いからだとか。“米を削る=余分なタンパク質を取る”ということなので、低精米の方が酸味が出やすいのです。

新たなこころみとして山名酒造では、兵庫の醸造好適米「HyogoSake85」を使用すると、どっしりと重たい酒になってしまうことを解決するために、雑味が少なくなる“真吟精米”という方法を採用しました。球形精米(高さを削る)に比べ、真吟精米(扁平精米、高さと厚さどちらも削る)をすると精米歩合が65%でも40%近く削ったときくらいのアミノ酸度になるそうです。

しかし、アミノ酸が少ないと麹菌の栄養分が少なくなり、麹が造りづらいそうです。私のイメージでは、真吟精米だと日本酒が造りやすく美味しい日本酒が出来る!と思っていたので、麹が造りづらいとのお話に驚きました。


地元産の米・麹・水にこだわりテロワールを表現し、自然を活かした山名酒造の造りと伝統を守りながらも新たな挑戦をし続ける姿は、大変勉強になりました!

今回は、9月の日本酒勉強会の様子をお届けしました!

山名さん、大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

ぜひ、皆さまも山名酒造の商品を手に取って、お酒に込められた想いを感じていただければと思います!


山名酒造様 紹介ページはこちら


▲左から、千歳 野条穂・自然酒 □土酒・耕地

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