こんにちは!ディオニーマガジン編集部です。
前・中編とお送りした田中による生産者訪問記・フリサック編の最終回をお届けします。今回はフランセスクのパートナー、ジェンマちゃんのワインについて(前回の記事はこちら)
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また、今回フリサックだけではなくもう一人、皆さまにご紹介したい生産者がいます。
Gemma Miro(ジェンマ・ミロ)という造り手で、彼女はフランセスクのガールフレンドでもありフリサックのワインにも携わっています。弊社ではまだ一度しかリリースをしていないので、ご存じの方は多くはないかもしれません。今回、彼女が造ったワインも試飲しました。
彼女のお爺様がもともと持っていた畑を引き継ぐために始めたプロジェクトで、Priorat(プリオラート)にある僅か1haほどの小さな畑からワインが造られます。
その中でも3つのエリアがあり、樹齢40年ほどのカリニェナとモスカテル、ガルナッチャが植樹されています。プリオラートと言えば、カタルーニャ州を代表するワイン産地でアルコール度数が高く濃厚な赤ワインが造られますが、彼女の畑は日陰にあり太陽燦々というイメージとは異なる印象です。
彼女のお爺様に対する敬意と愛情が非常に深く、すべてのワインには、祖父母の愛おしいエピソードから由来した名前が付けられています。彼女が最初に造ったのは「La Prtio(ラ・パルティロ)2021」というワインでカリニェナ100%から造られます。
“ザ・プリオラート”なガチガチのテイストではなく、昔からお爺様たちが飲んできたエレガントで飲みやすいワインのスタイルを目指し、ガルナッチャに関しては彼女の感覚にあるエレガントで繊細、控えめな感じのワインを目指して造っているとのことでした。
彼女のワイン造りに対する真っすぐな愛情と常に弾ける笑顔、初々しい可愛さがあり、そんな彼女が造るワインは、プリオラートという印象から飲むときっとギャップにやられちゃうでしょうね!
2021年が最初のヴィンテージで現在販売中です。現地では2022年と2023年を試飲しました。製造方法も色々試行錯誤して変化はあるのですが、実は彼女自身が一番大きく変化したそうです。彼女はまだワイン造りの経歴も浅いですし、フランセスクは10年以上…。経験のあるひとの横でワイン造りをするというのはプレッシャーや自身を追い込んでしまうストレスや苦労に2022年までは直面したとのことでした。ただ、2023年からはようやく自分のリズムを掴んで出来るようになり、精神的な余裕も生まれたそうです。
彼女が造るワインは、瑞々しくフレッシュさがあり丁度良い果実感に満ちています。
今後は彼女なりのペースに余裕と自信が新たにプラスされ、さらにこなれ感も出てくるのではないでしょうか。今からとっても楽しみです!是非、皆さんも楽しみにしていてくださいね!
